【遺言・死因贈与契約の違いとは】預金口座の相続トラブルを防ぐために今すぐ準備したいこと

遺言や死因贈与契約という言葉を耳にしたことはあっても、「実際に何が違うの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
今回は、実際にあった預金口座にまつわる相続トラブルの事例を交えながら、自筆証書遺言、公正証書遺言、死因贈与契約、遺贈の違いと、事前準備のポイントを解説します。

【実際にあった相続トラブル】子供名義の預金口座が警察沙汰に

とあるご相談者様は、幼少期のご子息のために「子供名義の預金口座」を開設し、長年コツコツと預金を積み立ててこられました。
「子供が成人したら自由に使ってほしい」という想いからのお金でしたが、数十年後、別件で通帳からお金を引き出そうとした際、暗証番号を間違えたことで金融機関職員から不審に思われ、警察を呼ばれるという事態に発展してしまいました。

実はこのような「名義預金」や「相続を意識せず作った口座」によるトラブルは意外に多く、きちんと法的な整理や手続きがされていない場合、相続人間での紛争や金融機関での引き出しトラブルが起こりやすくなります。

遺言と死因贈与契約の基本的な違い

項目遺言(自筆証書/公正証書)死因贈与契約
効力発生のタイミング遺言者の死亡時契約者の死亡時
作成形式自筆証書 or 公正証書書面による契約が基本(公正証書も可)
証人の必要性公正証書は証人2人必要契約なので原則当事者2人+証人(任意)
内容変更の自由度生前いつでも変更・撤回可能双方合意が必要
特徴遺産全体に対応可/遺留分に注意贈与契約のため特定財産の引渡し確約

自筆証書遺言と公正証書遺言の違い

自筆証書遺言

  • 手軽に作成できる
  • 費用がかからない
  • 書式不備や紛失リスクあり
  • 家庭裁判所での検認が必要

公正証書遺言

  • 公証役場で公証人が作成
  • 法的に確実、安全性が高い
  • 検認不要ですぐに執行できる
  • 証人2名が必要
  • 作成費用が発生

死因贈与契約と遺贈のポイント

死因贈与契約

  • 生前に「私が亡くなったらこの口座のお金を〇〇に渡す」と契約する形式
  • 贈与契約なので相続財産ではなく贈与として扱われる
  • 公正証書にすることで証拠力・実行力が確実になる
  • 合意契約のため受贈者(受け取る側)の意思確認が必要

遺贈

  • 遺言によって特定の財産を譲る約束
  • 一方的な意思表示で完結(遺言者のみの意思)
  • 遺贈の対象は相続人以外も可能

【金融機関で起こりうる問題】通帳と口座のお金は誰のもの?

「亡くなったらこの通帳のお金で葬儀をし、残りは子供に渡す」といった生前の口約束だけでは、金融機関では対応できません。
相続発生後、口座は凍結され、遺産分割協議が整わない限り、自由に引き出すことができないためです。

このようなトラブルを避けるためには、遺言書や死因贈与契約を公正証書として残し、
「誰が・どの財産を・どう受け取るのか」を明確にしておくことが何より重要です。

まとめ|トラブルを防ぐための事前準備

  1. 遺言書や死因贈与契約の作成を検討する
     → 書面で明確にしておくことで、家族間の争いを防止。
  2. できれば公正証書にする
     → 書類不備や無効のリスクを減らし、金融機関でもスムーズな手続きが可能。
  3. 相続人や関係者と事前に共有しておく
     → 知らない相続人がトラブルを起こさないための配慮。

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