
1. 経営事項審査(経審)とは?
建設業許可を持つ企業が公共工事の入札に参加するために必要な審査です。経審の結果は点数化され、企業の経営状況や施工能力を客観的に評価する指標となります。
2. 経審の費用
経審の申請には基本料金8,500円がかかり、さらに1業種ごとに2,500円の追加費用が発生します。例えば、29業種の申請をする場合、合計で81,000円の費用がかかります。
また、事前に 「分析申請」 を行う必要があり、この分析申請にも費用がかかります。登録分析機関ごとに異なりますが、例えば「ワイズ」では、最安プランで9,400円、高額プランで39,800円となっています。
3. 分析申請とは?
決算報告書で作成した財務諸表を登録分析機関に提出し、「分析結果通知書」を取得する手続き です。この通知書は経審申請の際に添付が必要となります。
経審の申請では、都道府県だけでなく分析機関にも書類を提出しなければならない点に注意しましょう。
4. 経審の評価基準と注意点
経審の評価は 決算日が基準 となります。そのため、例えば 決算日前にISOの申請を行い、決算後にISO資格を取得した場合、その年度の審査には加点されず、翌年度に反映 されます。
ポイントは 「申請した日」ではなく「取得した日」が評価対象 となる点です。この点を勘違いしやすいため、事前に計画的に取得を進めましょう。
5. 経審の申請には予約が必要
経審は事前予約が必須 です。決算変更届や許可申請とは異なり、いきなり窓口に行っても受付してもらえません。
都道府県によって予約方法は異なりますが、埼玉県では 電子予約 が可能です。お住まいの都道府県の受付方法を事前に確認しましょう。
6. 工事の裏付け資料の準備
経審の申請では、決算変更届で提出した工事歴の裏付け資料が必要 です。特に、金額の大きい工事については 契約書などの証明書類を提出 しなければなりません。
工事履歴の金額と契約書の金額が一致していることを確認し、正確な資料を用意しましょう。
7. 経審の結果は郵送で届く
申請後、経営規模等評価結果通知書(経審結果)が 数週間から2ヶ月程度で郵送 されます。
通知書の送付先は、申請した企業の所在地だけでなく、行政書士事務所に指定することも可能です。
8. 経審は年1回しか受けられない
経審は 決算日を基準 に点数を算出するため、1年間に1回のみ受けることが可能 です。同じ決算日で 再申請はできません。
そのため、経審の結果に不満があっても 次の申請は翌年まで待たなければならない ため、事前の準備が非常に重要です。
9. 経審の結果はWebで閲覧可能
経審の点数は 一般公開 されており、登録分析機関「CIIC」のホームページで 大手ゼネコンから小規模工務店まで、すべての経審結果を閲覧可能 です。
競合他社の点数をチェックし、自社の経審対策に活かすことも可能 です。
10. 経審は改正が多い
経審の審査基準は 年1回程度の改正 があり、数年に1回は大きな改正が行われます。
最新の手引きを確認せずに申請すると、補正(書類の修正)を求められる可能性が高いため注意 しましょう。
まとめ:経審は準備がカギ!早めの対策を
経審は 事前の準備が非常に重要 です。申請費用や予約手続き、必要書類の準備を怠ると、スムーズに許可が取得できない こともあります。
「申請が初めてで不安」「経審の点数を少しでも上げたい」 という方は、行政書士に相談することで スムーズな手続きをサポート できます。