
こんにちは、東京北区の亀田行政書士事務所です。本日は、「技能実習制度」と「技人国(技術・人文知識・国際業務)」について、それぞれの特徴や違いを詳しく解説し、技能実習生として来日後に「技人国」に在留資格を変更した事例もご紹介します。
技能実習制度とは
技能実習制度は、外国人が日本で働きながら技術や知識を習得し、母国の発展に役立てることを目的とした制度です。以下の特徴があります:
1. 制度の目的
• 日本での実務経験を通じて技術を学び、母国に戻りその技術を活かすこと。
• 発展途上国の産業発展を支援する国際協力の一環として設けられた制度。
2. 対象職種
• 農業、建設業、製造業、介護など、特定の職種に限られます(2024年時点で149職種)。
3. 在留資格の種類
技能実習生は、次の3段階に分かれた在留資格を持つことになります:
• 技能実習1号(1年目): 基本的な技術を学ぶ。
• 技能実習2号(2〜3年目): 習得した技術を実務で活用。
• 技能実習3号(4〜5年目): より高度な技術を習得。
4. 制限事項
• 技能実習生は、契約された企業や農場でしか働けません。転職は認められず、目的外の活動も制限されます。
• 家族の帯同は原則認められません。
技人国(技術・人文知識・国際業務)とは
一方、「技術・人文知識・国際業務」は、日本での専門知識や高度なスキルを持つ外国人が働くための在留資格です。以下の特徴があります:
1. 対象業務
• 技術分野: ITエンジニア、機械設計などの理工系分野。
• 人文知識分野: 経済学、法学などを活かす業務(例:マーケティング、通訳)。
• 国際業務: 翻訳、貿易業務、海外取引に関連する仕事。
2. 資格取得の条件
• 大学や専門学校の卒業者、または関連する分野の実務経験が求められます。
• 日本語能力(通常、N2以上)が必要とされる場合が多いです。
3. 就労範囲と自由度
• 雇用契約を結んだ企業内での業務が基本ですが、業務内容が合致すれば転職が可能です。
• 家族の帯同が認められるため、長期滞在が可能です。
技能実習制度から技人国に在留資格を変更した事例
事例:技能実習生から技人国へ転身
技能実習生として日本に来たAさん(母国:ベトナム)は、農業分野で3年間働き、技能実習2号を修了しました。Aさんは、農作物の栽培や収穫だけでなく、日本語を使って取引先とのコミュニケーションを担当するなど、業務の幅を広げてきました。その経験を評価した雇用主が、Aさんに「農産物の輸出管理業務」への転身を提案しました。
Aさんは以下の手続きを経て、在留資格を「技術・人文知識・国際業務」に変更しました:
1. 採用企業との雇用契約の締結
• 業務内容は「農産物の輸出に関する取引管理および取引先との調整業務」。
• 契約内容が「技術・人文知識・国際業務」の要件を満たしていることを確認。
2. 必要書類の準備
• 新しい雇用契約書。
• 業務内容を明記した職務説明書。
• 技能実習期間中に取得した日本語能力試験(JLPT N3)の合格証明書。
3. 入管への申請手続き
• 亀田行政書士事務所が申請手続きの代理を担当。
• 約2カ月後、在留資格変更が許可され、Aさんは技人国での活動を開始しました。
事例のポイント
• 技能実習期間中に日本語能力や取引スキルを磨いたことが、変更成功の要因。
• 雇用主がAさんの経験を評価し、適切な職務を設定した点が重要でした。
技能実習制度と技人国の違い
技能実習制度 | 技人国(技術・人文知識・国際業務) | |
目的 | 母国で活用するための技術習得 | 日本国内での高度な業務遂行 |
対象業務 | 特定の職種(農業、製造業など) | 幅広い専門業務 |
在留期間 | 最長5年 | 制限なし(更新可能) |
転職の自由度 | 転職不可 | 一定条件下で転職可能 |
家族帯同 | 不可 | 可能 |
在留資格に関する手続きでお困りの方へ
在留資格の選択は、目的やキャリアプランに応じた適切な判断が必要です。技能実習制度から「特定技能」や「技人国」への変更を検討する際は、入管への申請書類や証明書類の作成が重要です。
当事務所では、以下のサービスを提供しております:
• 在留資格取得・変更申請のサポート
• 技能実習制度や特定技能に関するご相談
• 雇用する企業様向けの適法化支援
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