根抵当権抹消登記は、法務局で自ら申請することも可能です。ただし、必要書類を揃えるための手続きや書類の記載に注意が必要です。以下では、個人で申請する際の流れを詳しく解説します。
1. 債務の完済確認と抹消合意の取得
まず、農業協同組合(JA)に根抵当権の状況を確認します。
• 債務が完済している場合:抹消手続きに進めます。
• 債務が未完済の場合:JAと話し合いの上、債務を整理する必要があります。
その後、JAから以下の書類を取得します:
1. 抹消合意書または完済証明書
• 根抵当権の抹消に同意する旨を記載した書類です。
• JAの窓口に依頼して作成してもらいます。
2. 印鑑証明書(JAの法人印)
• 抹消申請には根抵当権者(JA)の印鑑証明書が必要です。
2. 登記識別情報または権利書を準備する
根抵当権を設定した際に発行された以下のいずれかの書類を確認します:
• 権利書(2005年より古い場合)
• 登記識別情報(2005年3月以降で、12桁の識別番号)
注意:紛失している場合
• 登記識別情報や権利書がない場合、司法書士や弁護士による「本人確認情報」を法務局に提出する必要があります。これは専門家の協力が必要です。
通常の根抵当権抹消手続きでは、「権利書(登記識別情報)」は必要ありません。代わりに、根抵当権者(金融機関や農協など)が発行する解除証書や委任状を揃えれば抹消申請は可能です。※各自治体により、体型が異なる場合がありますので、管轄法務局に問い合わせが良いでしょう。
3. 抹消登記申請書を作成する
抹消登記申請書は、以下の要領で記載します。法務局の窓口または公式ウェブサイトからダウンロードできます。
【添付書類】
1. 登記原因証明情報(抹消合意書)
2. JAの印鑑証明書
3. 権利書または登記識別情報
4. 申請人の本人確認書類(運転免許証など)
4. 登録免許税を支払う
登録免許税は、不動産1筆につき1,000円です。複数筆の場合はその合計額を収入印紙で支払います。収入印紙は法務局または郵便局で購入できます。
5. 管轄法務局に申請を行う
不動産が所在する地域の法務局に、以下の書類一式を持参または郵送で提出します:
• 抹消登記申請書
• 登記原因証明情報(抹消合意書または完済証明書)
)• 登記識別情報または権利書(抹消登記申請の場合は、不要な例があります
• 印鑑証明書(JA発行)
• 登録免許税分の収入印紙を貼付した書類
注意:郵送の場合
• 添付書類の原本返却が必要な場合は、「原本還付請求書」を同封します。
6. 登記完了通知を受領する
法務局で申請内容に問題がなければ、数日後に「登記完了通知」が届きます。これで根抵当権抹消が完了します。
農地の場合の注意点
1. 農地転用の確認
抹消後に農地を売却または転用する場合は、農業委員会への「農地転用許可申請」が必要です。
2. 隣地所有者との境界確認
農地の場合、土地利用の変更に伴い境界トラブルが発生しやすいため、隣地所有者と境界の確認をしておくことをおすすめします。
まとめ:個人申請のポイント
個人で根抵当権抹消を行う場合は、書類の不備や漏れがないように注意が必要です。特に農業協同組合が根抵当権者の場合は、協同組合とのやり取りが発生するため、時間に余裕を持って準備を進めましょう。