東京地裁が「3度目以降の難民申請」に認めた意義と改正入管法への課題:東京都北区 亀田行政書士事務所

2024年10月24日、東京地裁はアフリカ出身の男性の「難民不認定処分取り消し」を認める判決を下しました。このケースは、15年にもわたる3度目の難民申請の結果として得られたものであり、政治的弾圧から逃れるために来日したこの男性の苦難の末に得られた正当な保護であるといえます。

改正入管法が引き起こす課題

2023年6月に施行された改正入管法は、「3度目以降の難民申請者は、相当な理由がない限り送還が可能」と規定しています。これにより、過去に申請が不認定となった難民申請者が、再申請中でも強制送還のリスクを抱えています。

しかし、今回の判決が示す通り、特定の政治的、社会的背景を持つ申請者にとっては、帰国することが生命の危険に直結する場合もあります。これまで、名古屋高裁でも同様に、3度目の申請でロヒンギャの男性の難民認定が認められたケースがありました。これらの判決は、日本の改正入管法が抱える深刻なリスクを浮き彫りにしています。

難民認定制度の改善の必要性

当事務所としても、現行の難民認定制度は国際基準に達していない点に強い懸念を抱いています。世界的に見て、日本の難民認定率は極めて低い状況にあり、欧米諸国と比較しても保護を求める人々に対する対応が極めて慎重です。結果として、難民が置かれる厳しい状況や、家族と離れ離れになるなどの心の痛みを多くの申請者が味わっています。

また、入管が申請者の背景や諸外国の政治的状況について適切に把握し、難民としての保護を本当に必要としているかどうかを判断する体制が十分整っていないとされています。東京地裁の今回の判断は、そのような日本の難民認定制度に対し、保護の適用範囲を見直すべきであるという重要なメッセージを投げかけていると言えるでしょう。

まとめ

今回の判決は、命の危険に晒される可能性がある難民申請者の立場を守る重要な一歩であり、3度目以降の申請者にも正当な保護が行き届くべきであるという点で非常に意義深いものです。亀田行政書士事務所としても、難民申請のプロセスがより透明で、公平な審査が行われることを期待するとともに、日本の難民認定制度が国際的な人権保護の水準に達するよう支援していきます。

国際的な人権保護の理念が十分に尊重され、真に保護が必要な人々が安心して暮らせる環境の実現が求められています。