
亀田行政書士事務所(農業経営アドバイザー登録済)
農業経営者の皆様にとって、事業の発展や設備投資には資金が必要不可欠です。その中でも、「小規模事業者持続化補助金」は、農業分野でも活用できる補助金として注目されています。本記事では、小規模事業者持続化補助金について詳しく解説し、申請のポイントや導入事例を紹介します。
1. 小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金とは、日本商工会議所および全国商工会連合会が実施する補助金で、小規模事業者が販路開拓や生産性向上のために必要な取り組みに対して支援を行う制度です。農業分野においても、新たな市場開拓や設備導入に活用できます。
2. 対象となる要件
農業分野で補助金を活用するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 従業員5人以下の個人・法人農家(商工会議所・商工会の管轄地域で事業を営んでいること)
- 販路開拓・生産性向上を目的とした取り組み
- 過去に同補助金を受けた場合は、異なる計画で申請すること
- 補助事業完了後に報告書を提出できること
3. 対象となる経費
農業分野で活用できる経費の例は以下のとおりです。
- 機械・設備導入費(選別機、乾燥機、パック詰め機など)
- 広告宣伝費(農産物のPRチラシ、ECサイト作成など)
- 展示会出展費(商談会、マルシェ出展など)
- 開発費(新商品開発にかかる試作費など)
- IT導入費(販売管理ソフト、農業DXツールの導入など)
4. 補助率と補助額
- 補助率:2/3(上限額内で経費の2/3が補助される)
- 補助額:
- 通常枠:最大50万円
- 特別枠(賃上げや環境対策など):最大200万円
5. 申請方法と必要書類
【申請方法】
商工会議所または商工会に相談(事前相談が推奨)
経営計画書・補助事業計画書を作成
必要書類を準備し、オンラインまたは郵送で提出
【必要書類】
- 申請書(公式サイトよりダウンロード)
- 経営計画書
- 補助事業計画書
- 事業者の確定申告書の写し
- 収支計画書
6. 申請の流れとスケジュール
ステップ | 内容 |
---|---|
事前準備 | 補助金の活用計画を立てる、商工会に相談する |
書類作成 | 経営計画書・補助事業計画書を作成する |
申請 | 期限内に提出する(年数回の公募あり) |
審査 | 書類審査・採択発表 |
事業実施 | 設備導入や販路開拓を進める |
実績報告 | 事業完了後に報告書を提出する |
7. 経営計画書の作成ポイント
- 農業経営の現状分析(強み・弱みを明確に)
- 課題の整理(どのような経営課題を解決したいか)
- 補助金の活用目的(どのような設備・取り組みで課題を解決するか)
- 収益見込みの記載(補助事業による売上向上のシミュレーション)
8. 補助事業計画書の作成ポイント
- 具体的な事業内容を記載(導入する設備やツールを明確に)
- スケジュールを具体的に記載(いつまでに何を実施するか)
- 期待される効果を数値で示す(売上・生産性の向上目標)
9. 農業で小規模事業者補助金を活用した事例(5選)
① 施設園芸農家の収穫・出荷効率向上
- 導入設備:自動選果機、パック詰め機
- 効果:作業時間の短縮と販売単価の向上
② 有機農家のEC販売強化
- 導入設備:オンラインショップ構築、SNS広告
- 効果:販路拡大、顧客の直接販売比率向上
③ 畜産農家の生産性向上
- 導入設備:自動給餌機、監視カメラ
- 効果:労働負担軽減、家畜の健康管理向上
④ 水稲農家の農業DX導入
- 導入設備:ドローンによる農薬散布システム
- 効果:作業効率向上、コスト削減
⑤ 果樹農家の直売強化
- 導入設備:冷蔵設備、移動販売車
- 効果:販売エリア拡大、鮮度保持による収益向上
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、農業経営の発展に大きく貢献する制度です。設備投資や販路開拓を進める農業者にとって、適切に活用することで収益向上につなげることができます。補助金申請や事業計画書の作成にお困りの方は、農業経営アドバイザー登録済の亀田行政書士事務所までお気軽にご相談ください!