取得の流れ
1.必要書類の準備
古物商許可を取得するためには、以下の書類を準備する必要があります。
- 古物商許可申請書
- 誓約書
- 略歴書
- 住民票(法人の場合は役員全員分)
- 身分証明書(本籍地の市町村で取得)
- 登記されていないことの証明書(法務局で取得)
- 使用する事務所や店舗の賃貸契約書など(営業所の使用権を証明する書類)
2.警察署へ申請
居住地または事業所の所在地を管轄する警察署に、申請書一式を提出します。このとき、申請手数料として19,000円が必要です。現金の取扱がないため、あらかじめ、クレジットカード、PayPay等のご準備が必要です。
3.審査と結果の通知
提出後、公安委員会による審査が行われ、40日~60日で結果が通知されます。審査が通れば古物許可証が発行されます。
4.許可証の掲示義務
許可取得後は、届出先公安委員会(東京都であれば東京都公安委員会)、登録番号、営業者の名前を営業所に掲示する義務があります。(古物営業法第12条第2項)特にネット販売を行う場合、ウェブサイト上にこれらの情報を表示しなければなりません。
実際にやってみよう
1. 疎明資料の添付
古物商許可申請には、いくつかの疎明資料が必要で、取得に手間がかかります。特に「登記されていないことの証明書」や「身分証明書」は役所や法務局での取得が必要であり、準備に時間を要することがあります。
2. 外国人が取得する場合
外国人が古物商許可を申請する場合、適法な在留資格を有していなければなりません(古物営業法第7条2項)。不法滞在や適切なビザを持たない場合は許可が得られません。また、日本語が十分に理解できない場合、書類作成や申請に困難を伴うことがあります。
3. 法人が取得する場合
法人で申請する際、全役員の身元確認が必要で、個人事業主の場合よりも準備が複雑です。各役員の住民票や身分証明書、登記されていないことの証明書が必要となり、それぞれの役員がこれらの書類を揃える手間がかかります。また、法人の役員全員が犯罪歴がないことも確認されます(古物営業法第15条第1項4号)。
自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合の比較
自分で申請する場合のメリット・デメリット
- メリット
- 費用が安い:申請手数料は19,000円のみで済みます。行政書士への依頼料が不要なため、コストを抑えることができます。
- 手続きを理解できる:自ら手続きを行うことで、今後の更新や変更手続きもスムーズに行えるようになります。
- デメリット
- 手続きが煩雑:疎明資料の準備や、公安委員会への申請は時間と手間がかかります。書類の不備があると再提出が必要になることもあり、手続きが滞る可能性があります。
- 法律の知識が必要:古物営業法の規定や許可後の義務(掲示義務など)について正確に理解していないと、トラブルの原因となる可能性があります。
行政書士に依頼する場合のメリット・デメリット
- メリット
- 手間が省ける:書類の準備や警察署への申請手続きをすべて代行してもらえるため、時間や労力を大幅に削減できます。
- 法的アドバイスが得られる:申請や疎明資料に不備がないように、法的なアドバイスを受けることができ、特に法人や外国人の場合に安心です。
- スムーズな進行:書類不備や手続きの遅延を防ぐことで、迅速に許可を取得できる可能性が高まります。
- デメリット
- 費用が高い:行政書士に依頼すると、弊所の場合で44,000円の報酬が必要です。自分で申請する場合の申請費用19,000円と合わせると、合計63,000円となり、費用負担が増します。
- 自分で手続きを把握しづらい:今後の更新や変更手続きについて、知識が不足する可能性があります。
結論:
- 自分で取得する方がよい場合
- コストを抑えたい場合:費用をできるだけ抑えたい個人事業主や、簡単な申請手続きに対応できる方に適しています。
- 時間に余裕がある場合:手続きをじっくり進められる時間がある方に適しています。
- 行政書士に依頼する方がよい場合
- 法人の場合や外国人の場合:特に法人として役員全員の書類を整えたり、外国人でビザや在留資格に関する対応が必要な場合。
- 手間を省きたい、書類の不備を避けたい場合:迅速に申請を進めたい方や、書類作成に自信がない場合は、行政書士のサポートを受けることで安心できます。
このように、手続きの煩雑さや法的な問題をクリアにするために、自分で申請するか行政書士に依頼するかの判断は、費用と手間、または安心感などを総合的に判断する必要がございます。