2023年6月、改正入管難民法が成立し、これまで多くの企業が利用してきた「外国人技能実習制度」が廃止されることが決まりました。その後、2027年までに「育成就労制度」が施行される予定であり、今後、外国人労働者の雇用方法に大きな変化が生じます。亀田行政書士事務所では、企業がこれからの変化に対応し、効果的に外国人を雇用するためのポイントをご紹介します。
1. 外国人技能実習制度から新制度へ
これまでの技能実習制度は、日本で必要な技術を習得する機会を外国人に提供し、母国の発展に寄与することを目的としていました。しかし、実際には労働力確保の一環として利用されるケースが多く、人権問題も指摘されていました。今回の法改正により、技能実習制度が廃止され、より公正で透明性の高い新しい育成制度が導入されることになります。
新しい育成制度では、より明確な労働条件や教育支援が提供され、外国人労働者が安心して働ける環境が整備される見込みです。
2. 新制度施行までの過渡期における雇用対応
2027年までの移行期間中、企業は外国人労働者をどのように雇用していけばいいのでしょうか。新制度が施行されるまでの間は、以下のような既存の在留資格や制度を活用することが考えられます。
• 特定技能ビザ
2019年に導入された特定技能ビザは、特に人手不足が深刻な業種での外国人労働者の受け入れを促進するための制度です。特定技能1号では、日本語試験や技能試験の合格が必要ですが、最大5年間の滞在が認められます。特定技能2号になると、永続的な滞在や家族帯同も可能になります。
• 高度専門職ビザ
高度な知識や技能を持つ外国人に対する優遇措置として、高度専門職ビザも有効です。ポイント制により、教育・年収・職歴などの条件を満たすことで取得でき、日本の労働市場に高い付加価値をもたらす人材の雇用が可能となります。
• 留学生の採用
日本の大学や専門学校を卒業した外国人留学生を採用することも、選択肢のひとつです。留学生は日本語能力や日本の文化に一定の理解を持っているため、企業にとっても即戦力として期待できます。
3. 新制度施行後の雇用戦略
2027年に新制度が施行されると、これまでの技能実習制度よりも職業教育やキャリア形成が重視されることになります。企業は、外国人労働者の長期的な育成と能力開発を視野に入れた雇用戦略を考えることが求められます。
• 教育支援の充実
新制度では、外国人労働者に対する職業訓練や日本語教育が義務付けられる可能性があります。企業は、研修プログラムやメンター制度を整備し、外国人労働者がスキルアップできる環境を提供することが求められます。
• 公正な労働条件の提供
新制度のもとでは、労働条件の透明性がさらに強調されるでしょう。雇用契約の明確化や、職場における外国人の人権保護にも十分に配慮する必要があります。
4. まとめ:外国人雇用の新たな選択肢と今後の対応
今回の法改正と新制度の導入は、日本企業が外国人労働者を雇用するうえでの大きな転換点となります。新しい制度のもとで、外国人労働者がより安心して働ける環境が整うことが期待されます。亀田行政書士事務所では、外国人の在留資格申請や雇用サポートを通じて、企業がスムーズにこの変化に適応できるようサポートいたします。