フリーランスや個人事業主として活動されている方にとって、取引の透明性や報酬の受け取りは非常に重要な課題です。この度、公正取引委員会・厚生労働省・中小企業庁から周知依頼があった「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(以下「本法」)は、フリーランスと企業の間の取引をより適正なものとし、フリーランスの就業環境を守るために制定されました。
本記事では、2024年11月1日(令和6年)に施行される本法の詳細や、フリーランスに与える影響、また亀田行政書士事務所が提供するサポート内容について解説します。
本法の目的と背景
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(令和5年法律第25号)は、フリーランスや個人事業主と発注事業者(企業など)の間における取引をより公正なものとするために制定されました。
近年、フリーランスとして働く方が増える一方で、発注事業者との間で報酬の減額や不当な取引条件が課せられるケースも見受けられます。こうした不正な取引を防止し、フリーランスの就業環境を整備することが本法の主な目的です。
本法のポイント
本法では、フリーランスと発注事業者間の取引を規制し、取引の適正化や就業環境の整備に重点が置かれています。以下の2つのポイントが注目されます。
1. 取引の適正化
発注事業者は、フリーランスとの取引において、取引条件の明示や、不当な報酬の減額・受領拒否の禁止が義務付けられます。これにより、発注側の一方的な条件変更や、曖昧な取引が行われることを防止します。
具体的には、次のような義務が発注事業者に課されます。
- 取引条件の明示義務:フリーランスに対して業務委託を行う際、契約条件や報酬について明確な書面やデジタル文書での通知が必要です。
- 報酬の減額や受領拒否の禁止:業務完了後、発注事業者が一方的に報酬を減額したり、受領を拒否する行為は禁止されます。
2. 就業環境の整備
本法では、発注事業者に対してフリーランスの就業環境にも配慮を求めています。特に以下の点が義務化されます。
- 育児・介護との両立への配慮:フリーランスが育児や介護などの家庭の事情を持つ場合、その業務との両立に配慮した柔軟な対応が発注事業者に求められます。
- ハラスメント相談体制の整備:ハラスメント行為に対する適切な相談体制の整備が義務付けられ、フリーランスが安心して働ける環境を整備することが求められます。
これにより、フリーランスが仕事と生活のバランスを取りやすくなり、また、業務上の問題や不当な扱いに対する対処が可能となります。
本法がフリーランスに与える影響
本法の施行により、フリーランスや個人事業主として活動している方にとって、以下のようなメリットが期待されます。
- 契約条件が明確に
取引条件が書面で明示されるため、報酬の受け取りに関するトラブルや、曖昧な取引条件による問題が減少します。 - 不当な報酬の減額が防止される
発注事業者側が一方的に報酬を減額することが法的に禁止されるため、安定した収入が確保されやすくなります。 - 就業環境の改善
育児や介護など、家庭との両立が求められる場合でも、発注事業者が配慮する義務があるため、フリーランスが働きやすい環境が整います。
亀田行政書士事務所が提供するサポート
亀田行政書士事務所では、フリーランスや発注事業者の皆様が本法の施行に備え、適切な対応を行えるようサポートを提供しております。
- 契約書作成・確認サポート
本法に基づいた取引条件の明示や契約書の整備をサポートいたします。書面の作成や確認に不安がある場合はお気軽にご相談ください。 - 報酬トラブル解決支援
報酬の未払い、減額問題に直面した場合、法律に基づいた対応方法をアドバイスいたします。 - 就業環境整備のアドバイス
育児や介護との両立に配慮した契約内容の策定や、ハラスメント対策に関する相談体制の構築など、就業環境改善に向けたアドバイスを提供します。
まとめ
「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」の施行により、フリーランスと企業との取引がより公正で透明なものになります。本法を活用することで、フリーランスの方々は安心してビジネスを展開でき、発注事業者にとっても信頼関係の向上が期待されます。
亀田行政書士事務所では、フリーランスや発注事業者の方々がスムーズに本法に対応できるよう、各種サポートを提供しております。ぜひ一度、ご相談ください。