「産業廃棄物収集運搬業の許可を取りたいけれど、どの廃棄物を申請すればよいか分からない」
このようなご相談は少なくありません。
結論からいうと、取り扱う廃棄物は、現在運んでいる物だけでなく、今後受注する可能性がある仕事まで考えて選ぶことが重要です。
ただし、可能性があるからといって、20種類すべてを申請すればよいわけではありません。運搬車両、運搬容器、処分先などとの整合性も必要です。
【品目選びの基本イメージ】
現在の業務 → 今後の事業計画 → 車両・容器・処分先 → 申請先自治体への確認
産業廃棄物の種類は自治体によって変わる?
産業廃棄物の20種類は、廃棄物処理法に基づく全国共通の区分です。自治体が自由に種類を変えているわけではありません。
一方で、具体的な廃棄物をどの品目として申請するか、石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物を「含む」とするか、どのような運搬容器や説明資料を求めるかなど、自治体によって確認方法や運用に違いが見られることがあります。
そのため、他県の申請書や許可証をそのまま転記するのではなく、最終的には申請先自治体の手引きや窓口で確認することが大切です。
1.現在取り扱っている廃棄物から判断する
まずは、現在の業務で実際に発生している物を確認します。
| 実際に発生する物の例 | 検討する主な品目 |
|---|---|
| 解体工事のコンクリート片・アスファルト片 | がれき類 |
| タイル・衛生陶器・廃石膏ボード | ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず |
| 木材・型枠・木製パレット | 木くず |
| 塩ビ管・ビニールシート・廃タイヤ | 廃プラスチック類 |
| 鉄筋・足場パイプ・金属部品 | 金属くず |
| 建設工事等から発生する泥状物 | 汚泥 |
判断するときは、過去のマニフェスト、処分委託契約書、請求書、廃棄物の写真などを確認すると分かりやすくなります。
同じように見える物でも、材質、発生した工程、排出事業者の業種などによって区分が変わる場合があるため注意が必要です。
2.現在の許可内容と処分先を確認する
すでに他県の許可を持っている場合は、現在の許可証に記載された品目を確認します。
あわせて、実際に搬入する予定の処分業者が、その品目を処理できる許可を持っているかも確認します。
収集運搬業者が「金属くず」を運べても、予定している処分先が「金属くず」を受け入れられなければ、事業計画として整合しません。
確認するポイントは次のとおりです。
- 現在の許可証に記載された品目
- 過去に運搬した廃棄物
- 予定している排出事業場
- 搬入予定の処分業者の許可品目
- 使用する車両・運搬容器
- 石綿・水銀・自動車等破砕物を含むか
3.今後取り扱う可能性がある廃棄物も検討する
新規申請では、現在の仕事だけでなく、許可取得後の事業成長も考える必要があります。
例えば、現在は内装解体が中心でも、今後、建物解体や設備撤去を受注する可能性があれば、次のような品目が必要になることがあります。
- がれき類
- 木くず
- 金属くず
- 廃プラスチック類
- ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
- 紙くず
- 繊維くず
- 汚泥
ただし、「いつか使うかもしれない」というだけではなく、予定する業務、排出元、運搬方法、処分先を説明できる範囲で選ぶことが大切です。
今後5年間に受注する可能性がある工事や取引先をイメージすると、必要な品目を整理しやすくなります。
4.後から品目を追加すると変更許可が必要
許可取得後に取り扱う産業廃棄物の種類を追加する場合、通常の変更届ではなく「事業範囲変更許可申請」が必要です。
普通産業廃棄物収集運搬業の変更許可申請手数料は、多くの自治体で1自治体につき71,000円です。申請先や許可証の交付方法などにより異なる場合があります。
例えば3県で品目を追加する場合、一般的な金額で計算すると、行政への申請手数料だけで合計213,000円になります。別途、証明書代、郵送費、行政書士報酬などが必要になることもあります。
茨城県も、廃棄物の種類の追加や、石綿含有産業廃棄物を「除く」から「含む」に変更する場合などを、事業範囲変更許可申請の対象としています。
そのため、新規申請の段階で、今後取り扱う可能性が高い廃棄物を適切に盛り込んでおくことが、将来の費用と手間の削減につながります。
迷ったときに参考になる自治体資料
品目の基本的な分類は群馬県、具体的な製品や混合物から逆引きする場合は大阪府、申請書への反映方法は茨城県の資料が参考になります。
ただし、これらは参考資料です。最終判断は、廃棄物の材質や発生工程を整理したうえで、実際に申請する自治体へ確認する必要があります。
よくある質問
取り扱う可能性があるなら、20種類すべて申請した方がよいですか?
すべて申請すればよいとは限りません。取り扱う予定、運搬できる車両・容器、搬入できる処分先などを説明できる品目に絞る必要があります。
更新申請と一緒なら、無料で品目を追加できますか?
原則としてできません。更新許可申請とは別に、事業範囲変更許可申請と手数料が必要です。同じ時期に提出できる場合でも、別の申請として扱われます。
品目を判断してもらうには、何を準備すればよいですか?
廃棄物の写真、材質、発生する工事や工程、排出場所、運搬先、使用車両、運搬容器などが分かる資料をご用意ください。過去のマニフェストや処分委託契約書がある場合は、重要な判断資料になります。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業許可の品目選びでは、次の4点が重要です。
- 現在取り扱っている廃棄物を確認する
- 現在の許可内容と処分先を確認する
- 今後取り扱う可能性が高い廃棄物を検討する
- 申請先自治体の運用を確認する
品目を少なくしすぎると、将来の仕事を受注できず、追加の変更許可申請が必要になる可能性があります。一方、根拠なく多くの品目を申請すると、車両、容器、処分先などについて追加説明を求められることがあります。
亀田行政書士事務所では、現在の業務内容だけでなく、今後の事業展開、申請先自治体の運用、処分先、車両・運搬容器まで確認したうえで、申請する品目をご提案します。
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