第8回⑤:熟年再婚後の相続:前妻の子供に残したい 東京都北区亀田行政書士事務所

〜想いを確実に届ける「二次相続対策」の切り札〜

家族構成と背景

  • 父(70代、財産所有者)
  • 後妻(60代、父と再婚)
  • 前妻との子(40代)

状況
前妻は病気で早世。前妻との間に子どもが1人いる。
その後、父は60歳で後妻と再婚。前妻の子は後妻との関係も良好で、家族の調和は取れている。

父の希望

  • 自分の死後、後妻の生活を保障したい
  • 最終的には前妻の子に財産を確実に遺したい

このケースの相続上の問題点

  • 後妻が相続した財産を自由に処分でき、最終的に前妻の子へ渡る保証がない
  • 後妻と前妻の子は血縁関係がないため法的承継ルートが弱い

家族信託の活用

スキーム概要

区分内容
委託者
受託者前妻の子
第一次受益者父(生前の生活費・運用益)
第二次受益者後妻(父の死後の生活資金)
残余財産帰属権利者前妻の子
信託期間後妻の死亡まで

メリット

  • 後妻の生活を守りつつ、実子へ確実に財産が承継される
  • 後妻の意思で変更できないため安全
  • 受託者が前妻の子なので管理の透明性が高い

家族信託を使わない方法

① 遺言のみ

  • 後妻に必要な分だけを遺贈、残りを前妻の子に
  • デメリット:後妻が受け取った財産を自由に処分可能

② 生命保険の活用

  • 前妻の子を保険金受取人に指定
  • デメリット:他の資産の調整はできない

③ 負担付遺贈

  • 後妻に「特定の負担(例:子へ譲渡)」を課す遺贈
  • デメリット:強制力が弱く、履行確保が難しい

④ 養子縁組

  • 後妻と前妻の子を養子縁組させ、法的に親子関係を築く
  • メリット
    • 前妻の子が後妻の相続人となる
    • 後妻死亡後に前妻の子が相続できる
  • デメリット
    • 家族関係の複雑化(感情面の課題)
    • 後妻に遺言などで別の遺贈をされた場合のリスク
    • 相続税の負担が増える場合がある(相続人の数で基礎控除額は増えるが、課税額も注意が必要)

✅ 方法比較表

方法実子への承継確実性後妻の生活保障柔軟性法的安定性注意点
家族信託手続きが複雑
遺言のみ後妻の意思変更リスク
生命保険資産全体は調整不可
負担付遺贈実効性が低い
養子縁組感情面・税務面の課題

家族信託だけでは足りない部分と補完手段

● 遺言の必要性

家族信託に組み込んでいない財産(自宅やその他預金など)は遺言で補完。

  • 【例】自宅を後妻に遺贈する
  • 【注意】信託契約と遺言の内容が矛盾しないよう調整が必要

● 成年後見制度

後妻の判断能力が低下した場合の生活支援。

  • 【任意後見】元気なうちに契約
  • 【法定後見】すでに認知症等の場合

まとめ:想いと関係性を「かたち」にする家族信託

「後妻の生活を守りたいが、最終的には実子に財産を渡したい」
この複雑な思いを確実に実現できるのは、家族信託が最も有効な方法です。

ただし、遺言・生命保険・養子縁組など他の方法と組み合わせることで、より細やかな対応が可能です。

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