
✅ はじめに
建設業許可において、「どの業種で申請すべきか?」という点は、実務上もっとも多く寄せられるご相談のひとつです。
工事内容が複合的である場合や、目的・場所・規模によって該当業種が変わることもあり、判断を誤ると「業種外工事」となり、指導・是正の対象となるおそれもあります。
今回は、実務で特に誤解の多い事例を中心に、業種判断についてのポイントをQ&A形式で詳しくご紹介します。
💬 Q&A|業種判断に関する実務ポイント
Q1. 清掃施設工事業の例示にある「ごみ処理施設工事」には、建物全体の建築も含まれますか?
A.
昭和47年3月8日付の建設省告示において、清掃施設工事は「し尿処理施設またはごみ処理施設を設置する工事」とされています。
この場合、処理機械等を設置する建築物を含む工事であれば、清掃施設工事に該当します。
ただし、施設全体の建築工事を一括して請け負う場合は、建築一式工事など他業種の許可が必要となるケースもあります。工事内容の範囲を正確に見極めたうえで、該当業種の判断を行う必要があります。
Q2. ビニールハウスの構造に関する業種は何ですか?
A.
ビニールハウスは、構造的な観点から「とび・土工工事業」が基本となります。
農業用・園芸用など用途の違いはありますが、いずれも土台の施工や骨組みの組立てが中心であり、現場での組立て作業を請け負う場合には「とび・土工工事業」に該当します。
一方で、鉄骨等の骨組みを工場で製作し、現場で組み立てて完成させる場合には、鋼構造物工事業が該当します。
ポイントは、
- 製作から組立てまで一貫して請け負うか
- 現場での作業が中心か
により、業種区分が分かれます。
※こちらは実務上特に誤解されやすいため、十分ご留意ください。
Q3. 建物の外部に装飾用や保護用のフィルムを貼る工事は、どの業種に該当しますか?
A.
以下のように、施工目的・施工場所により該当業種が変わります:
- 建物外壁に高耐候性フィルムを貼る場合 → 塗料等の素材を工作物に貼ることから「塗装工事業」
- 室内装飾として居室の壁・天井に貼る場合 → 「内装仕上工事業」
- ガラス面に飛散防止等を目的として貼る場合 → 「ガラス工事業」または「内装仕上工事業」
工法が同じでも、施工場所・目的・資材の違いにより、業種区分は変動します。
業種判断は、契約書・仕様書・図面等に基づいて個別に行われるため、追加業種取得を検討される方や迷われている方は、早めのご相談をおすすめします。
Q4. 機械器具設置工事と、とび・土工工事、コンクリート工事はどう区別すればよいですか?
A.
機械器具設置工事業は、機械そのものの設置を請け負う工事であり、
- 電気工事
- 管工事
- 電気通信工事
などの専門工事が含まれることがあります。
一方で、機械器具が現場に配置され、基礎の設置やアンカーボルト等による据付・固定のみを行う工事は、とび・土工工事業またはコンクリート工事業に該当します。
なお、区別が難しい工事は非常に多いため、実際の契約図書や仕様書をもとに、事前相談されることを強く推奨します。
Q5. 防水工事に関連する足場の組立て工事が高額です。業種は防水工事でよいですか?
A.
足場の組立てが、防水工事の準備・実施・仕上げのために一体不可分で必要と認められる場合、全体の工事としては「防水工事」として取り扱うことが可能です。
足場工事単体での請負ではなく、防水工事の一部として行う場合は、別途「とび・土工工事業」の許可を取得する必要はありません。
✅ おわりに
業種判断は、技術的知見だけでなく、契約内容や施工体制、目的や施工場所までを丁寧に読み取ることが求められます。
特にコンプライアンス意識の高まりにより、業種外工事の指摘リスクも増加傾向にあります。
「この内容で今の許可業種で大丈夫か?」「追加すべき業種はどれか?」といったご相談も増えていますので、ぜひ一度、ご相談ください。
🔜 次回予告
📌 次回【第16回②】では、引き続き「業種判断」についてより具体的な事例をご紹介してまいります。
東京都北区 亀田行政書士事務所
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