産業廃棄物収集運搬業の許可申請では、事業計画書の内容が非常に重要です。
計画書の精度が低いと、補正対応に追われたり、最悪の場合は許可が下りないこともあります。
この記事では、亀田行政書士事務所が実務経験に基づき、よくある疑問や注意点、作成時のコツをまとめました。
1. まずは運搬品目の特定から始める
事業計画書を作成するうえで最初のステップは、運搬する産業廃棄物の種類(品目)を明確にすることです。
しかし実際には、依頼者に「どんな廃棄物を運ぶ予定ですか?」と尋ねても、
「いろいろあります」「現場次第です」と曖昧な回答しか得られないこともあります。
そのような場合は、排出場所(積込現場)をヒアリングしながら、想定される品目を具体的に絞り込むことが大切です。
例えば、解体業者であれば以下のような品目が想定されます。
- 廃プラスチック類
- 紙くず
- 木くず
- 繊維くず
- 金属くず
- ガラス及び陶磁器くず
- がれき類
このように現場の業種と作業内容から品目を推定し、依頼者と一緒に確認していくことで、より正確な事業計画を立てることができます。
2. 特別管理産業廃棄物(水銀・アスベスト・PCB)は慎重に扱う
水銀、アスベスト、PCB(ポリ塩化ビフェニル)といった特別管理産業廃棄物を取り扱う場合は、
通常の産業廃棄物とは異なり、特別な安全管理と申請区分が必要になります。
🔹 水銀使用製品産業廃棄物
解体工事現場などから排出される蛍光管には、水銀が含まれていることがあります。
この場合、単なる「ガラスくず」ではなく、水銀使用製品産業廃棄物としての申請が必要です。
品目選定を誤ると、許可内容の不一致により運搬ができなくなるおそれがあります。
🔹 アスベスト(石綿含有産業廃棄物)
アスベストは重大な健康被害をもたらす物質として厳重な取扱いが求められます。
環境省の「石綿含有産業廃棄物処理マニュアル」では、以下のような措置が定められています。
- 飛散防止措置(密閉容器の使用)
- 他の廃棄物との区分運搬
- フレコンバック等を用いた適正積載
現場では容器の取り扱い・積載状態の写真記録も求められるため、運搬方法の計画段階で確認しておく必要があります。
🔹 PCB廃棄物
昭和30〜40年代に製造された古い照明器具やトランスには、PCB使用安定器が含まれている場合があります。
これらは「特別管理産業廃棄物」に該当し、環境省が公表している収集運搬ガイドラインに従う必要があります。
PCB廃棄物を扱う場合は、通常の運搬許可では対応できません。
事業計画段階で「PCB対象となる可能性がある現場か」を確認しておきましょう。
3. 排出場所(積込場所)のヒアリングは具体的に
排出場所を確認する際は、次のような観点から詳細にヒアリングを行います。
- どんな業種の現場か(例:解体、製造、建設など)
- どんな作業を行っているか
- どのような廃棄物が発生しているか
- 現在はどの業者が運搬しているか
このヒアリングによって、想定外の廃棄物品目(例:水銀・アスベスト・金属粉等)が見えてくることもあります。
単に依頼者の申告を鵜呑みにせず、現場の実態から事業計画を立てることが重要です。
4. 搬入場所(運搬先施設)は許可品目まで確認する
運搬先(荷下ろし先・中間処分場)は、事業計画書に具体的に記載します。
依頼者が「まだ決めていない」という場合でも、行政書士が候補施設の情報を調べ、
品目・会社名・許可番号を確認しながら計画を作成していくのが望ましい対応です。
都道府県によっては、申請書に「施設名・許可番号」まで記載を求めない場合もあります。
しかし実務上は、申請書に記載義務がなくても、搬入先が正しく受け入れ可能かを確認しておくことが依頼者への真のサポートになります。
可能であれば、処分場のウェブサイトで受け入れ品目や稼働状況をチェックしておくと安心です。
5. 運搬施設(車両・容器)も具体的に記載する
事業計画書には、どのような車両・容器を使って運搬するかを記載します。
例えば、解体業者であれば以下のようなパターンが多く見られます。
- 車両:ダンプ車、キャブオーバー車
- 容器:フレコンバッグ、鉄製コンテナ、ドラム缶
特に飛散防止措置が求められる廃棄物の場合、
「蓋付き容器」「密閉式ボックス」などの仕様を具体的に記載しておくことで、審査がスムーズになります。
【まとめ】正確なヒアリングが信頼できる事業計画を作る
事業計画書は、単なる形式的な書類ではなく、
**依頼者の業務実態と法的要件をつなぐ「運搬の設計図」**です。
運搬品目や搬入先、容器の取り扱いを一つひとつ確認し、
曖昧な部分を残さないことが、最終的な許可取得への最短ルートです。
🏢 亀田行政書士事務所では
東京都北区を拠点に、
産業廃棄物収集運搬業の新規許可・更新・事業計画書作成支援を行っています。
- 現場ヒアリングから許可品目の特定までサポート
- 特別管理産廃(水銀・アスベスト・PCB)対応可
- 郵送・オンライン対応可能
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