【第4回】委任契約と家族信託の違いと補完関係|東京都北区 亀田行政書士事務所ブログ

こんにちは。
東京都北区の亀田行政書士事務所です。

これまでのシリーズでは、

について解説してきました。

第4回となる今回は、「委任契約と家族信託の違い」について解説します。
また、「どちらを選ぶべきか」「併用のメリットはあるか」といった実務上の判断ポイントもあわせてお伝えします。

委任契約とは?

委任契約とは、本人(委任者)が信頼できる第三者(受任者)に対して、自分の代わりに事務処理を任せる契約です。

例えば、

  • 病院の付き添い
  • 年金の手続き
  • 公共料金の支払い
  • 税務署などへの届出

といった日常的な生活行為を本人に代わって行ってもらうことが可能です。

委任契約はこんなときに有効です

委任契約は特に、次のようなケースにおいて効果を発揮します。

✅ 家族に財産管理を頼みにくい・頼める人がいない場合

「家族に迷惑をかけたくない」「家族とは疎遠」「信頼できる親族がいない」という方にとっては、第三者(行政書士・弁護士・信託会社など)との委任契約を結ぶことで、安心して生活支援を受けることができます。

✅ 認知症ではないが、自分での手続きが負担になってきた場合

判断能力はまだ十分あるが、通帳管理や役所とのやり取りが負担という方にとって、判断能力が残っている間のサポートとして委任契約は非常に有効です。

委任契約の限界と家族信託の必要性

一方、委任契約には限界もあります。特に以下のような手続きには対応できません:

  • 相続や遺贈に関わる手続き
  • 預貯金の解約(遺言執行目的)
  • 不動産の売却や名義変更
  • 認知症発症後の財産管理(委任契約は終了)

つまり、本人の判断能力が失われた場合には、委任契約は無効となるため、長期的・継続的な財産管理ができなくなってしまいます。

家族信託との役割分担と併用

ここで登場するのが「家族信託」です。
家族信託では、本人(委託者)が元気なうちに、受託者(例:子ども)へ財産を託し、契約に基づき将来の財産管理・処分を継続的に任せることが可能になります。

家族信託は以下のような点で委任契約を補完します:

項目委任契約家族信託
日常的な事務代行△(目的外)
認知症後の継続性×(終了)◎(有効)
不動産売却×
預貯金の処分・運用△(金融機関次第)◎(信託契約で明記)
相続発生後の効力×○(受益者連続型で可能)

✅ 委任契約は“今を支える”、家族信託は“将来を守る”

両者は「どちらかが上位互換」というものではなく、それぞれの時期と目的に応じた補完関係にあります。

  • 現在の生活支援には委任契約
  • 将来の資産保全・承継には家族信託

このように、両方を組み合わせることで抜けのない支援体制をつくることが可能です。

まとめ|信頼関係と目的に応じた制度選択がカギ

  • 家族に財産管理を任せられる場合は、家族信託が強力な選択肢になります。
  • 一方で、家族に頼めない・頼みたくない方には、委任契約や任意後見制度が非常に有効です。

つまり、「どちらか一方で十分」ではなく、「それぞれの事情に応じて併用・使い分けが重要」ということです。

東京都北区で委任契約・家族信託のご相談は亀田行政書士事務所へ

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✅ 親の財産を将来どう管理したらいいかわからない
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次回(第5回)は、「配偶者居住権と家族信託の違い」について解説いたします。
高齢の配偶者が住み慣れた家に住み続けるための制度比較を、わかりやすくご紹介します。

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