【埼玉県版】軽貨物自動車運送業の届出手続き完全ガイド

〜黒ナンバー取得の流れと必要書類を行政書士が詳しく解説〜

こんにちは。
埼玉県さいたま市を中心に自動車登録や運送業関連の手続きを行っております、亀田行政書士事務所です。

今回は、個人で軽貨物運送業(いわゆる「黒ナンバー」)を始める方向けに、埼玉県での届出方法と必要書類、実際の流れをすべて解説します。

これから「軽貨物ドライバーとして独立したい」「開業の手続きがよく分からない」という方は、この記事を読めば届出の流れが一通り理解できます。

1. 書類の準備

まずは、埼玉運輸支局に提出する必要書類を確認しましょう。
いずれも「正副2部」ずつ準備します。

【1】貨物軽自動車運送事業経営届出書(正副2部)

① 開始予定日

事業を始める日付を記入します。
日付が決まっていない場合は、届出を提出する日を記入して構いません。

② 個人情報

個人で開業する場合は、本人の氏名・住所・電話番号を記入し、捺印します。
法人の場合は、「会社名」「代表者氏名」「本社所在地」「連絡先」を記入し、代表者印を押印します。

「通称名」欄には、事業名(例:亀田運送、〇〇デリバリーなど)が決まっている場合に記入します。

③ 営業所の名称及び位置

事業用自動車を配置する場所(営業所)の名称と住所を記入します。
個人の場合は「本店」や「〇〇運送」などでOKです。
住所が個人情報欄と同じ場合は「口住所に同じ」にレ点を入れれば省略できます。

④ 事業用自動車の種別ごとの数

通常は「軽(普通)」欄に記入します。

種別内容
軽(普通)軽貨物自動車(霊柩・二輪以外)
軽(霊柩)軽霊柩車
二輪125cc超のバイク

車検証を確認し、乗車定員や最大積載量を正確に記入してください。

⑤ 自動車車庫の位置及び収容能力

車庫の住所、営業所からの距離、面積を記入します。
住所が同じ場合は「口住所に同じ」でOK。
車庫の広さは普通車1台あたり15〜20㎡が目安です。

要件:営業所および休憩施設から半径2km以内であること。
賃貸でも問題ありません。

⑥ 乗務員の休憩・睡眠施設

自宅兼営業所の場合は、⑤と同様の住所を記入すれば問題ありません。

⑦ 運送約款

「標準貨物軽自動車運送約款」にレ点を入れましょう。
引越し専門の場合は「標準貨物軽自動車引越運送約款」にします。

※ 独自約款を使う場合は「その他」にチェックし、別途添付が必要です。

⑧ 運行管理体制を記載した書面

営業所名は③と同じものを記入。
運行管理責任者は、個人事業なら本人、法人なら営業所責任者を記入します。

⑨ 宣誓書

車庫の使用権原や法令遵守に関する宣誓を行います。
2ヶ所のチェック欄にレ点を入れ、提出日・住所・氏名を記入して捺印します。

これで「貨物軽自動車運送事業経営届出書」は完成です。

【2】運賃料金設定届出書(正副2部)

① 提出日

届出日を記入。

② 個人情報

本人の住所・氏名・電話番号を記入。法人の場合は代表者名も記入します。

③ 適用地域

「全国」にチェックを入れるのが一般的です。

④ 運賃および料金の種類・額・方法

「別添のとおり」と記載し、次の「運賃料金表」で説明します。

⑤ 実施年月日

開業日を記入。この日が開業日(黒ナンバー取得日)となります。

【3】運賃料金表(正副2部)

距離制運賃表(例)

距離単価合計運賃
10km160円/km1,600円
20km160円/km3,200円
50km160円/km8,000円
60km130円/km9,300円
100km130円/km14,500円

100kmを超える場合は、1kmあたり100円加算します。

割増率

  • 休日割増:日曜・祝日運送 → 2割増
  • 深夜・早朝割増:22時〜翌5時 → 3割増
  • 易損品・危険品等:内容に応じて加算可

※開業当初は委託業務が中心となるため、報酬は請負元の会社規定に従う形で問題ありません。

【4】事業用自動車等連絡書(正副2部)

  • 「事業等の種別」:貨物欄の「軽」にチェック
  • 「使用者の名称・住所」:個人なら本人、法人なら会社名・所在地
  • 「所属営業所名」:経営届出書と同一名称
  • 「使用の本拠の位置」:同左可
  • 「自動車登録番号」:中古車の場合は該当欄に記入(新車は「新車の場合」欄)
  • 「種別」:軽
  • 「最大積載量」:車検証を参照
  • 「事案発生理由」:新規開業時は「新規許可」にチェック

【5】車検証(コピー可)

2. 届出の手続きの流れ

① 埼玉運輸支局 輸送担当へ

まずは、上記の書類を埼玉運輸支局輸送担当に提出し、「事業用自動車等連絡書」に押印をもらいます。

※書類は運輸支局にも備え付けがありますが、初めての場合は事前に記入済みで持参するのがスムーズです。

注意点

  • 書類は正副2部ずつ用意
  • フォーマットは最新のものを使用(古い書式は無効になる場合あり)
  • 最新版は【埼玉運輸支局 軽貨物ページ】からダウンロード推奨

初回申請は書類不備による差し戻しも多いため、郵送より窓口持参がおすすめです。

② 軽自動車検査協会で黒ナンバー取得

運輸支局で押印を受けた後、管轄の軽自動車検査協会へ行きます。
ここでは、OCRシートを記入し、黄色ナンバーを返却して黒ナンバーを交付してもらいます。

必要書類(軽自動車検査協会)

  1. OCRシート
  2. 申請依頼書(代理申請の場合)
  3. 押印済みの事業用自動車等連絡書
  4. 黄色ナンバー(返却)
  5. 車検証(原本)
  6. 住民票(所有者が異なる場合)
  7. 履歴事項全部証明書(法人で所有者が異なる場合)

※運輸支局へは車検証コピーでOKですが、軽検協では原本が必要です。

車両で行けば、その場でナンバー交換が可能です(封印不要)。

3. 埼玉県内の届出窓口一覧

【埼玉運輸支局 輸送課】

〒331-0077
埼玉県さいたま市西区大字中釘2154-2

黒ナンバー届出は「輸送課」が窓口です。
「検査登録事務所」とお間違えのないようご注意ください。

【軽自動車検査協会 管轄一覧】

支所名所在地ナンバー管轄区域
埼玉事務所(上尾)上尾市平方領々家505-1大宮・川口さいたま市・上尾市・蕨市・戸田市ほか
所沢支所入間郡三芳町北永井360-3川越・所沢所沢市・狭山市・志木市ほか
熊谷支所熊谷市新堀960-2熊谷熊谷市・秩父市・加須市ほか
春日部支所春日部市下大増新田115-1春日部・越谷春日部市・草加市・三郷市ほか

まとめ

埼玉県で軽貨物運送業を始めるには、
1️⃣ 埼玉運輸支局での「貨物軽自動車運送事業経営届出」
2️⃣ 軽自動車検査協会での「黒ナンバー取得」
この2段階の手続きが必要です。

初めての方は、書式の誤りや記入漏れで時間がかかることも多いため、専門の行政書士に依頼するのも一つの方法です。

【亀田行政書士事務所】

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